伯爵の花嫁
2016/06/25

男爵家の娘であるグィネスは両親の死と共に転落した生活を送ることとなります。使用人同様の生活を叔父の下で強いられていたグィネスですが、ある日その叔父が、山の中で住む魔術師のアリクの下へグィネスを強制的に嫁がせてしまいました。そこが物語の始まりです。でも、アリクは、有名な騎士であり伯爵でした。でも、彼は過去の罪にさいなまれ、伯爵である事も騎士であることからも逃げ出して、東屋のような古びた小屋での生活を愛していました。そのためグィネスには伯爵である事を言おうとはしませんでした。
グィネスにとっての不幸な、そしてアリクにとっての平穏な日常は彼の弟の使者が訪れることで崩れ去ります。弟の使者は簡単に追い返してしまいましたが、その後に来た友人を追い返す事は出来ませんでした。アリクはグィネスに全てを話し、共に城に向かいます。そこで待っていたのはアリクの元婚約者であり、継母であり、弟の恋人のロウィーナです。
グィネスはその城でアリクを待つ生活を送るうちに自分がどれだけアリクを大切にしていたか思い知ります。愛のためにアリクに全てをささげたグィネスをアリクは「伯爵の妻」という地位のためと勘違いし、怒りを感じました。それが、愛する女性であるグィネスに裏切られたという思いである事を彼は気がつきません。
グィネスに対する想いと戦いに対する嫌悪感。でもアリクが最後に選んだのはグィネスに対する愛です。そのために捨てた剣を持ち、戦いに身を投じました。
アリクが伯爵というくらいを忌み嫌っていた原因を知った時驚きました。過去に誰よりも地位を欲していたアリクは、そのために重大な罪を犯してしまったのです。そのために地位を捨て、伯爵である事を疎んでいたアリクと、幼い頃に男爵令嬢として過ごしていたのに、父母の死後叔父夫婦に虐げられる毎日を送り、再び優雅な生活を手に入れることを望み続けていたグィネスはすれ違ってばかりでしたが、お互いに惹かれあっていることがよく描かれていました。
地位や金を望みすぎるとろくなことが無いという教訓のような話だと思います。
新しい車かおっかな~~~?国産車がいいのかな???